川端裕人「The S.O.U.P. 」

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どんどん川端さん。

かつて伝説のRPGゲーム「S.O.U.P.」を開発、巨額の富を得た巧。彼はある日、ハッキングに悩む経済産業省の役人・礼子の訪問を受ける。礼子の依頼でハッカーを追う巧が見たのは、変わり果てたゲーム世界だった!(amazon エディタレビューより)

川端さん、(゚Д゚)話ウマー。ほんと素晴らしい。
ヴァーチャルとリアルな世界は重なり合っているんよねーと思わずにはいられない。
よく「現実世界vs仮想世界」なんて対立軸で区切った社会論を目にしますが、この本を読むと、インターネットの世界も、結局はその向こういる人間が作り上げているものなんだよと再認識。
そして、この本も、そういった安易な対立構図に陥らず、あくまでもインターネットも私たちの生きる社会の一部だということを意識し、その秩序のあり方については、常に主体的に考えなければいけない、という主張されているように感じました。
途中で、クラッカーがインターネットを麻痺させてしまい、医療機関や原発施設を危機に追いやる場面がありますが、これはまさに、インターネットという世界に於いてのみ、現実社会ではあり得ないような奇行・悪行をしてしまう人々への警鐘でしょう。
常に、回線の向こう側にいる人間を思い浮かべる想像力を持って、インターネットという世界と対峙していかなければ、せっかく無限の可能性を与えてくれたインターネットも、有害なものになりかねないんよね、なんて、しみじみと考えさせられる一冊でした。

fuku

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