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月: 2004年3月

「都市再生」を問う (岩波新書)

「都市再生」を問う (岩波新書)

最近そこらじゅうに、タワーマンションという名の超高層マンションが、一杯建ってますよね。
たしかに、とってもカッコいいし、見晴らしも良くってステキだなと思うのですが、反面、あんなもんが自分の家の近くに建ったらたまらんよなー、と常々思っておりました。
実際に、我が香里園にも、とつぜん丘陵にカベみたいなマンションが建ちまして、自分の家からちょっと離れてるしまぁいいや、という気分にはさすがになりませんでした。
住宅地っぽくなくなるやんけ~。ボケー!!
で、ちょっと興味があったので、手に取ったのが本書です。
規制緩和で容積率の規制が甘くなってるがために高層建築物がどんどん建っているという事実と、その規制緩和は、政官財の癒着によってもたらされているものであるということを、詳しく書いていました。
そして、住環境としての機能や、町並みの美しさを無視する政策に意義を唱える、という一冊です。
確かにおっしゃるとおり。
要は、住居地域と商業地域をごちゃ混ぜにせんと、ちゃんとまとめるものはまとめんかい!ということでしょう。
やはり民主主義国家に暮らす一有権者として、都市政策にも一言をもっておかねばいけませんね。
でも、そんな感想よりも、無性にSIM-CITYやりたくなってきてしまった。 (-_-;)
ここはガマンして寝なければ・・・。

歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」

歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」

あーっっっっ。悔しい。だまされたぁ~っ。O(><)o ジタバタ

昼はフィットネスクラブで体を鍛え、夜は女遊びに励む、探偵である主人公が、霊感商法絡みの殺人事件に巻き込まれ・・・というあらすじです。
筋を新聞の書評で読んで、「フィットネスクラブでちゃりんこ漕ぎながら読むには最適やん!」とおもって買ってきました。
「このミステリーがすごい」で1位。
「絶対だまされる」という前評判。
「けっ。そんな簡単にダマされるかよ」と思いながら読み出したはいいのですが、もののみごとにダマされました。
こりゃわからん。でもうまいわー。
これを読んで「俺は途中でわかったもんねー」って人、いるんでしょうか。
ダマされてみたい人ひと、そういうトリックを見抜くには自信があるぜって人にはオススメの一冊でした。

伊坂 幸太郎 「重力ピエロ」

伊坂 幸太郎 「重力ピエロ」

そろそろピュア小説の世界から抜け出すかと思って、買ってきたのが「重力ピエロ

このミステリーがすごい」にも出てたので、久しぶりに伊坂幸太郎でも読むかと思って買ってきました。
こってりしたミステリーを期待していたんだけど、あらあら、これって小説やん。しかもかなりさわやか系。
全体は連続放火事件の謎を追うという筋なんだけど、主題は血縁とか家族のように思います。
最近、家族が主題の本が多いように思うんだけど、それは殺伐とした世情の反映なんでしょうか。それゆえについつい手が伸びてしまうだけなのか。
感想としては、もちろん、面白かった。サクサク読めるし。
まー、出張の新幹線の往復とかがいいかもしんない的なおもしろさでした。

納品

納品

先月、ずーっと手をかけていた某不動産事業団体の物件検索サイトを、やっと本日納品。
といっても新しく作った訳じゃなくって、外見はそのままで、中の古くなったハードを一式入れ替えて、OSやアプリケーションサーバー、DB構成を刷新するだけ。
この仕事は、もともと作っていた会社の技術員が、理由があって全員独立してしまったために保守できなくなり、なぜか我が社に出番が回ってきたという代物。
かなり大きなサイトだったので、最初はどうなることかと思っていたのですが、絡まった糸を一本ずつ解きほぐし、なんとか今日に結びつけることができました。
普段は、他の会社が作ったシステムをじっくり見るという機会は少ないのですが、今回はそういった経緯があって、かなり内部を検証しました。
その中で、自分では思いつかない発想や、周到な計画性を、プログラムの中から感じることができたのは本当に収穫。
かなり成長したような気がします。
それらの課程で強く思ったのが、自分より経験や実力のある人が成した仕事に触れるのは、本を読み漁ったり、試行錯誤を繰り返すよりも、よっぽど勉強になるのだということです。
やはり百聞は一見にしかずということなのでしょうか。
思えば僕たちは、手の内を知り尽くした小所帯。
新たな刺激を受ける機会が本当に少ないのです。
積極的に、自分たちを批評されたり、人の仕事をみたりするようにして、胃の中の蛙で終わらないように心がけなければいけないのだなぁ、としみじみ感じました。
要するに中で仕事ばっかりしてないで、外で遊ばなきゃいけないということでしょう。
あれ、台無し?

佐藤正午 「ジャンプ」

佐藤正午 「ジャンプ」

今週の一冊は、佐藤正午「ジャンプ」。

がー、またこの手の本を読んでしまった。
探せばあるもんですね。こういう青春系小説とでもいうジャンルって。
筋は非常に面白かった。
酔っぱらって彼女の家に泊まりにいくのだけど、彼女がリンゴをコンビニに買いに行ったまま、そのまま失踪しちゃうって話し。その謎を追っていくんだけど、偶然に偶然が重なっていることに気づき・・・みたいな。
自分の身にも起こりえるような話なだけに、変な現実感があって面白かったです。
ただ文体が、あんまりにも村上春樹すぎるのが、かなりキビしい。
まあ、この年代の作家で村上春樹の影響が全く無い人なんて、稀なんだろうなとおもいつつも、句読点の振り方とか、登場人物の話し方とか、105回考えたりとかってところとか、とにかく全体的にやたらハルキってて、ここまでそっくりなのは、さすがにどーなんかなと思ってしまいました。
この人って、他の本もこんなんなんかなー?

わんこ

わんこ

今日の昼は、大学時代の友達と遊んでました。
珍しく大学時代に立命以外でできた女友達で、妙にウマがあいながらも、お互いに恋愛感情がないおかげか、ナンダカンダともう8年のつきあい。
そんな間に彼女もケッコンしちゃって、いやいや月日が経つのはホントに早い。
楽しかった。また遊びましょう。
で、ちょいと新居におじゃましたんだけど、そこの家で飼ってるわんこが、超らぶりーなので、思わず写真撮っちゃいました。
メスのまだ1歳くらいのくせに、なんておじいさん顔なんだ。かわゆい。しかも毛がテディーベアみたいやねん!
この犬なんていう犬種だっけ?どうしても浦沢直樹の「Monster」の鉄人シュナイダーを思い出してしまう。シュナウザー?だっけか。
いやー、俺も犬が欲しくなりました。
まー、俺が飼うなら柴犬かなー。なんか福田家に洋犬は似合わない気がするので。
wanko.jpg

とある土曜日

とある土曜日

10時前に出勤し、12時半まで黙々とプログラミング。
今、とりかかっているO社向けの開発案件は、僕がこれまでにやったことのない規模。3/26までに仕上げないと先方の予算の都合上、多大な迷惑をかけることになる。技術的には難しくないとはわかっていながら、こなしていかなければいけない作業量を思うと、正直なところ怯んでしまう。いやいや、大丈夫。大切なことはシンプル。一度決めた作業工程から遅れないようにすることだけである。このあたりは製造もITも変わらない。
今回は、PHPでのオブジェクト指向度を高める方法を試みている。とはいえ、まだ勘所を掴んでいないことは明らか。独立性が高く、汎用性も高いコーディングを、常に心がけているものの、拘りすぎてかえって生産性の低下と、全体の見通しの悪さを招いている気がする。全然精進が足りない。
1時半から北浜道修町のデザイン事務所で打ち合わせが一件あったので、その前に平野町のドトールで食事をとりながら読書。初めて天童荒太に挑戦。「幻世の祈り」。重い主題ながらも、テンポの良い筆致に、どっぷりハマってしまい、危うく打ち合わせに遅れそうになる。
打ち合わせの案件は、予算枠もすでに決まっていて、限られた時間で正確に作業を完了させることが必須要件。なので下手に凝ったことをせず、シンプルに要求を満たす方法を提案する。難色を示されると思いきやあっさりと通ってしまったため、思ったより早く終わる。全部がこんな風だったら楽なんだが。
2時半に会社に戻り、そこから19時までプログラミングの続きに没頭。
19時に会社を出て、京橋のフィットネスクラブへ。1時間チャリンコを漕ぎながら「幻世の祈り」に耽る。そこから22時までみっちり筋トレ。効果があるのか無いのか、とにかくお腹の脂肪は確実に退治されつつある。
帰宅後はご飯にお風呂。明日は法事で早いので、晩酌して寝ることにする。

盛田 隆二 「夜の果てまで」

盛田 隆二 「夜の果てまで」


盛田隆二という作家も聞いたことがなかったのだけど、なんとなく手にとって、なんとなく買ってしまいました。
あらすじは北大の4回生が、近所のラーメン屋のすっげーきれいな後妻と恋に落ちて駆け落ちするというはなし。結末が先に提示され、そこへ至る経緯を追う形式になっています。
ちなみにこれまでの経験からすると、この本や、先にでた大崎善生の小説みたいな、ピュア系恋愛小説を連続して手に取るときっていうのは、たいてい精神状態が荒んでるときです。
逆に、新書や社会問題系に手を出すときと言うのは、外向きの力が余ってるときかな。
そう思うと、やっぱり疲れてるんやなー。
で、肝心な小説を読んだ感想として纏めるならば、いい話しなんだけど、あんまりにもひたむきで打算のない世界が、羨ましくも遠い世界のように感じたというのが難点。
あ、やっぱり荒んでるんだ。。。