「MOMENT」本多孝好
死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。恋心、家族への愛、死に対する恐怖、そして癒えることのない深い悲しみ。願いに込められた命の真実に彼の心は揺れ動く。ひとは人生の終わりに誰を想い、何を願うのか。そこにある小さいけれど確かな希望―。静かに胸を打つ物語。
ウマイ!!(・∀・)
いやー、話の展開がうまいうまい。
本多さんは、手に取る本がとっても近いひろさんお気に入りの作家さんなので、ずっと気になっていまして、やっと手に取ったのですが、いやー、こりゃいいや。
あらすじだけ見たら、入り込めないぐらいキレイすぎる話ばかりなのかと思いきや、全然そんなことはなくって、連作集みたいなかんじの短い話のあつまりなんだけど、結構重い終わり方をする話もありました。
それでも、読後感は清涼。
読み始めの「ああ、こういう話か」って先入観は、随所でうまいこと外されてしまいました。
文句なしにオススメの一冊。
というわけで、あと一作ガツンとくれば、お気に入り作家さんリスト入りは間違いなしですが、むむむ、ちょっとのこりはパンチが弱かったかな。
他に読んでみたのはこの辺。
程よく良いけど「MOMENT」ほどではないか。
[amazonjs asin=”4101322511″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐A〉 (新潮文庫)”]
小さな広告代理店に勤める僕は、大学生の頃に恋人・水穂を交通事故で失い、以来きちんとした恋愛が出来ないでいる。死んだ彼女は、常に時計を五分遅らせる癖があり、それに慣れていた僕は、今もなんとなく五分遅れの時計を使っていた。最近別れた彼女から、「あなたは五分ぶん狂っている」と言われたように、僕は社会や他人と、少しだけずれて生きているようだ。
そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。「かすみ」と「ゆかり」は、子供の頃、親を騙すためによく入れ替わって遊んでいた。しかし、それを続けるうち、互いに互いの区別がつかなくなってしまったという。
かすみは、双子であるが故の悩みと失恋の痛手を抱えてていることを、僕に打ち明ける。
そんな「かすみ」を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋めあうように、僕とかすみは次第に親密になっていく――。
設定はありがちで、文体はハルキ的で、だけど、あまりにそれが徹底していて、逆に心地よかったです。
日曜の昼下がり川の見えるカフェで、ちょっと感傷的な気分になりながら、一人読むには非常に良い選択でした。
虫の居所が悪ければぶん投げてた可能性も否定できないですが。w
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人が死に杉。
登場人物を殺すことで喪失感や非日常を演出するのは安易でイクナイ(・∀・)
しかもそれに超能力とかタイムスリップとかは、もう僕が一番ダメなパターン。
さすがに人格は乗りうつらなかったけど。w
それでも最後の短編「シェード」はかなりいける。や~。良い話だった~。
街のイメージはなんとなく寝屋川の商店街が出てきました。なんでやろ。
次の「MISSING」に期待!
こんばんは。
好みが似ているふくさんに本多さんを読んでもらえて嬉しいです。
>虫の居所が悪ければぶん投げてた可能性も否定できないですが。w
わかります、その気持ち!本多ファンを公言している私ですが
「真夜中の5分前」が初めて読む本だったら
絶対ファンになってないだろうと思います(笑)嫌いじゃないですが。
初めて手に取る本って重要ですねー。
個人的には「MOMENT」と「MISSING」がお気に入り、お勧めです。
>ひろさん
どもども。やっぱそうなんですね。
本との出会いは結構タイミングですよね。
あと僕の場合、手に取る本で自分の心理状態がなんとなくわかります。
やー。「MISSING」かーなり楽しみです。ハァハァ。
私もMOMENTよみました。内容の割りに文章がさらりとしていて知らん間にひきこまれてよみおわったというかんじでした。
おもしろかったです。
>おたか嬢
おおお。そういえばおたかさんの本の趣味って知らないなー。
またきかせてください。あ!スカイプいれますんでw