「ウェルカム・ホーム」鷺沢萠
あー、いかん、最近読んだ本を全然書いてなかった。
というわけでまずは、鷺澤さんの最後の作品となった「ウェルカム・ホーム」
ちょっと普通じゃない2つの家族を描いた小説です。
僕の中で、近年の鷺沢さんの小説は、「バイバイ」「君はこの国を好きか」以来ちょっと面白くないなーと感じていました。
ワンパターンに感じたことと、少し上の年代を描くようになったためか、どうも共感できなかったのだと思います。それと作品全体に暗さが濃くなってきたことが原因だったでしょうか。
ですので、本作品もあまり期待していなかったのですが、鷺沢さんは無くなる直前に、この「ウェルカム・ホーム」が良くできたと喜んでいたという話も聞きましたので、期待半分不安半分で手に取ってみました。
早速読むと、・・・なんなんこれ!?
めっちゃいいやん。
この作品は、最近の鷺沢さんの作品につきまとっていたような暗さが無くって、どちらかというとニヤニヤしながら読めます。
でも伝えたい「家族ってなに?」という主題がとってもストレートに伝わってくる、そんな作品でした。
もともと鷺沢さんの作品って、小説の純文学な雰囲気と、エッセイの破天荒で面白い雰囲気は、少し別の場所にあったように思うのですが、この作品は双方の良い部分が合わさったような感じがします。
これまでの小説には無いものを感じて、新境地を開いたように感じました。
でももう続きは読めないんですね。
何度も書いて申し訳ないですが、本当に悲しいです。
「ウェルカム・ホーム」 鷺沢 萠
一般的には「フツー」ではない家族を描いたとても温かいお話。
「渡辺毅のウェルカムホーム」なんて出てくる登場人物全員が愛すべきキャラクターです。
「ビューティフル・サンデイ」がドラマ化されたので最近戯曲を読み返してみたのだけど
何か同じ温かさを感じる作品…