Category Archives: 読書

川端裕人「夏のロケット」

By | 2004/07/14

十分に文章を推敲してから、まともな書評を載せようと思ったものの、そう思ったら全然書けなくって、どんどんblogに書いてない本が溜まってきました。
いかんいかん。
僕の備忘録という本来の役目すら果たさないようでは、本末転倒です。
というわけで、相変わらず、400字書けって言われてるのに埋めきれない小学生の読書感想文みたいになると思うのですが、読書カテゴリー再開。
第一弾。最近、どっぷりハマっている川端裕人さん。

星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。過激派のミサイル爆発事件の取材で同期の女性記者を手伝ううち、高校時代の天文部ロケット班の仲間の影に気づく。非合法ロケットの打ち上げと事件は関係があるのか。ライトミステリーの筋立てで宇宙に憑かれた大人の夢と冒険を描いた青春小説。

川端さんの小説って、現実にはあり得なさそうな話でも、しっかりと実感を持って読めるのは、きっと取材がしっかりしてるんでしょうね。
しかもその内容を、わかりやすく話の中にちりばめてくれているので、読んでるうちに「ロケットボーイ」になったり「ヘッジファンド」になったり「天才プログラマー」になったりできます。
まあ、僕がその気になりやすいという性質が、多分に影響してるかとは思うのですが。
この本は、さらっと読んでるうちに、いつのまにか小さい頃の夢や、今の自分を考えてしまう、かなりの良書です。働く人へ、夏休みの一冊としてオススメかも。
そういや小さいときは小説家になりたいって言ってたなぁ・・・。(遠い目)

「家族狩り」全5作 天童荒太

By | 2004/06/16

天童荒太に初挑戦です。
天童荒太といえば、ドラマにもなった「永遠の仔」が有名。
僕は文庫待ちで読んでないのですが。。。
この「家族狩り」は5部作で、2月から毎月1冊ずつ刊行。
なので、全作読むのに5ヶ月かかりました。
でも、1ヶ月空いても、読み出すとすぐに世界に入れるのは、どっぷりとハマれる筋立てのうまさのせいかな。
サスペンスの中に「家族とは何か」を追求しています。
傑作。それは間違いない。でも、めちゃんこ重たいです。
これほど心に重くのしかかるのは、家族や子供に関係する異常事件が次々に起こる、今の世界と重ねてしまうからでしょう。
要するに、「なんだこりゃ?」なんて感想を持てるくらい現実と乖離してれば平和ってことなんだろうけど、妙に「こんな話がどこかでおこってるんじゃない?」とかって思ってしまうのは、やっぱり世間が異常事態。

「嫉妬の香り」 辻仁成

By | 2004/05/30

辻仁成。元Zoo。じゃない。それは曲名。もしくは「Choo Choo Train」か。
えーっとエコーズ。中山美穂ののダンナさんであり、芥川賞作家でもあるマルチタレントですね。
正直、辻仁成はいけ好かない感じはするけど、この人の小説は面白いので、久しぶりに手に取ってみました。
今回の「嫉妬の香り」は、自分の彼女を、先輩に紹介したら、その先輩と浮気してるんじゃないかと嫉妬に狂う兄さんが主人公。主人公と、その彼女、先輩と、その妻の4人の中で、複雑に織りなされる恋愛模様といった感じでしょうか。常に底流を流れる「香り」が、男女の関係に微妙な影を落としていきます。
昔に本上まなみや川原亜矢子が出てドラマでやってたらしいですね。
えーっと感想ですが、まず主人公、「ニオイ」に興奮しすぎです。ケモノかいな。(^^;)
過去に、恋人に、ちょっとでも疑いの心を持ったことのある人や、特定の香水を嗅ぐと、思い出すような昔の恋人がいる人は、感情移入して読めるんじゃないでしょうか。
というか僕がどちらも当てはまるので、のめり込んで一気によんじゃいました。
ちなみに辻仁成の作品って、そこまで読んだこと無いのだけど、なんだか三島由紀夫を思い出すような、かっこいい文体でした。いつもこんなんだっけかなぁ。

「凛冽の宙」 幸田真音

By | 2004/05/30

おおお。読んだ本は、必ず書こうと思っているのに、かなり忘れていた。
というわけで、一冊目。

外資系証券会社で事務をしていた男が、ふとしたきっかけで見初められて日本法人での出世階段を登っていき、ついには日本法人の社長となる。そんなときにかつての不倫相手と結婚した元部下が、ヘッジファンドとして現れ、うんぬん、みたいな筋だった・・・。
国際金融ってかっこいいよね、というくらいの感想。

「恋愛写真」 市川拓司

By | 2004/05/19

最近本屋で市川拓司 の「いま、会いに行きます」が平積みされているのを、よく見かけます。小学館が「世界の中心で、愛を叫ぶ」の、2匹目のどじょうを狙っているのかな。
で、その「いま、会いに行きます」を、正月に東京へ行ったときに、友達から「これいいよ」と貸してもらったのですが、正直なところ東野圭吾の「秘密」と筋が似ているように思って、どうものめり込めずに、たいした感想も無く読み流してしまいました。
でも文体とか嫌いじゃないなーと思ってたからか、たまたま新刊を見つけたときに購入したのが、この「恋愛写真
「そんなん無いわい」とツッコミをいれそうになる純愛モノでした。
前作同様、現実離れした部分があるのですが、こちらのほうがまだ有り得る気がして、受け入れやすかったです。
こんな歳にもなって、大学生が主人公の純愛モノを読んで「良かった」なんて言うのも、結構恥ずかしいものがあるけど、Amazon風に言うなら★4つ!
まだ2冊しか読んでませんが、リアリティーがあったり無かったりして、不思議な気分になれるのが、この作家さんの特徴なのかもしれませんね。次作も機会があったら読んでみよう。
それにしても僕は書評がヘダだ。_| ̄|○
これじゃ単なる読書メモやもんなー。
せっかくblogに書いてるんだから、もうちょっとマトモに書かないといけないと、ちょいと反省。
久しぶりにダヴィンチでも買ってコツを勉強しよっと。

「ウェルカム・ホーム」鷺沢萠

By | 2004/05/07

あー、いかん、最近読んだ本を全然書いてなかった。
というわけでまずは、鷺澤さんの最後の作品となった「ウェルカム・ホーム

ちょっと普通じゃない2つの家族を描いた小説です。
僕の中で、近年の鷺沢さんの小説は、「バイバイ」「君はこの国を好きか」以来ちょっと面白くないなーと感じていました。
ワンパターンに感じたことと、少し上の年代を描くようになったためか、どうも共感できなかったのだと思います。それと作品全体に暗さが濃くなってきたことが原因だったでしょうか。
ですので、本作品もあまり期待していなかったのですが、鷺沢さんは無くなる直前に、この「ウェルカム・ホーム」が良くできたと喜んでいたという話も聞きましたので、期待半分不安半分で手に取ってみました。
早速読むと、・・・なんなんこれ!?
めっちゃいいやん。
この作品は、最近の鷺沢さんの作品につきまとっていたような暗さが無くって、どちらかというとニヤニヤしながら読めます。
でも伝えたい「家族ってなに?」という主題がとってもストレートに伝わってくる、そんな作品でした。
もともと鷺沢さんの作品って、小説の純文学な雰囲気と、エッセイの破天荒で面白い雰囲気は、少し別の場所にあったように思うのですが、この作品は双方の良い部分が合わさったような感じがします。
これまでの小説には無いものを感じて、新境地を開いたように感じました。
でももう続きは読めないんですね。
何度も書いて申し訳ないですが、本当に悲しいです。

「かもめが翔んだ日」 江副浩正

By | 2004/04/30

リクルートという会社を一代で築き上げた江副浩正さんの自伝。

今となっては、独特の企業文化で、多様な人材を輩出し、高収益を続ける憧れの優良企業といったイメージですが、昔は社会的地位の低い扱いしか受けていなかったことが書かれています。
そんな中でも自社の強みや、企業理念をしっかりと持ち、社員に誇りや働く楽しさを与える江副さんの姿にしっかりと感動。
こういう本は「頑張らなきゃ」って思わしてくれるからいいですね~。

「私の話」 鷺沢萠

By | 2004/04/20

鷺沢さんが亡くなって、初めて読む作品。
先日「新刊が出たら必ず買っている」なんて書いていたものの、よくよく著作リストをみると、ぽろぽろと漏れがありました。
というわけで、昔読んだ本を読み返す前に、未読の本を買ってきました。

鷺沢さんの、1992年、1997年、2002年の、それぞれの時代を描いた私小説。
離婚の話や、父親の会社が倒産して経済的に困窮した話、祖母が韓国籍だということを知らずに育っていた話、どれもこれまでの著作で触れたことがある部分ですが、これまで以上にストレートな気持ちをぶつけているように思いました。
これまでのエッセイと同様、この私小説にも、鷺沢さんが、自分の一言一言に気をつかい、人が発する言葉に傷つき怒り感動する様子が記されていて、この人は本当に他者の痛みに敏感で優しい人なんだなあと感じます。
かたや、そういったことを感じない自分の日常を振り返り、反省しきりな気分にさせられました。
でも鷺沢さんの、そんな敏感さが、自ら命を絶たせてしまったのかなー、と考えたりしてしまいます。
自殺した作家の私小説というのは、存命中と同じような感覚で読むことは、きっとできないのだな思いました。

「100億稼ぐ仕事術」 堀江貴文

By | 2004/04/17

昨日書いた倉木麻衣のblogも提供しているライブドアという会社は、東大卒のカリスマ社長がWeb制作会社から上場を果たしたという、まあ僕らみたいな人間からすれば、まさに憧れの的な会社です。僕もシャレで一株持ってます。
で、最近その人の書いた本を読む機会がありました。

おおお。俺も100億稼ぎたい。
いきなり「1日5000通のメールをさばく」とかって書いてるので、どんな仕事術が飛び出すのかと思いきや、根拠が無い主張が続く、あまり面白みの無い本でした。
まあ堀江さんという人に興味があるなら読んでもいいかと思うけど、仕事術って書くんだから、もう少し主張する内容に科学的な味付けが欲しいなあ。
だって
「1日7時間以上は寝ないといけない。なぜなら私はそうじゃないと能率が落ちるからだ」
みたいな感じが続いてて。。。
だいたい1日5000通もメールは捌けへんやろー。
5秒に1通、読んで捨てても6時間くらいかかるねんで。
フィルタリングでゴミ箱直行メールも1通さばいたことになってるんかなー?
というわけで、面白くなかったんだけど、仕事をするうえでも睡眠と休養が重要だと説く人がいることは、僕も全く同感なので嬉しかったですね。
確かに堀江さんの「社長日記」を読んでいても、休みはしっかりと休んでられますね。
筋トレもしてるし。
あっ、僕も筋トレ行かなくっちゃ。

「都市再生」を問う (岩波新書)

By | 2004/03/31

最近そこらじゅうに、タワーマンションという名の超高層マンションが、一杯建ってますよね。
たしかに、とってもカッコいいし、見晴らしも良くってステキだなと思うのですが、反面、あんなもんが自分の家の近くに建ったらたまらんよなー、と常々思っておりました。
実際に、我が香里園にも、とつぜん丘陵にカベみたいなマンションが建ちまして、自分の家からちょっと離れてるしまぁいいや、という気分にはさすがになりませんでした。
住宅地っぽくなくなるやんけ~。ボケー!!
で、ちょっと興味があったので、手に取ったのが本書です。
規制緩和で容積率の規制が甘くなってるがために高層建築物がどんどん建っているという事実と、その規制緩和は、政官財の癒着によってもたらされているものであるということを、詳しく書いていました。
そして、住環境としての機能や、町並みの美しさを無視する政策に意義を唱える、という一冊です。
確かにおっしゃるとおり。
要は、住居地域と商業地域をごちゃ混ぜにせんと、ちゃんとまとめるものはまとめんかい!ということでしょう。
やはり民主主義国家に暮らす一有権者として、都市政策にも一言をもっておかねばいけませんね。
でも、そんな感想よりも、無性にSIM-CITYやりたくなってきてしまった。 (-_-;)
ここはガマンして寝なければ・・・。