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カテゴリー: 読書

「旅の極意、人生の極意」大前研一

「旅の極意、人生の極意」大前研一

世界的経営コンサルタントの発想の原点は、若き日の添乗員時代にあった!
「添乗員・大前研一」が案内する15のプレミアムツアーから学ぶ、大前流・人生を豊かにする技術。

旅心を誘いすぎる一冊。
どれも行ってみたいみたいなぁ~。
チェコ行ってビール飲みたい!
オーストラリアで砂浜爆走したい!!
はぁはぁ。
 
しかしまあ、どれも非常に興味をそそる旅ではあるのですが、大前さんが本書で言ってるスタイルにも、本当に共感できます。

旅を楽しむためには、まとまった休みも必要だし、それ相応のカネだってかかる。(中略)「休みを取るのが大変だ」「少し贅沢かも」などと、つまらない尻込みだけはしないでほしい。そうやって先送りしている間に、時間はどんどん過ぎていってしまうのだ。ようやく余裕が出てくる頃には、精神的にも肉体的にも人生を楽しめなくなっている、などと言うことは断じて避けねばならない

うん。避けねばならない!!(・∀・)
要するに良く働き良く遊べってことでしょう。
僕も人の3倍くらい働いて、人の2倍くらい遊びたいです。
良い景色をいっぱい見れるようにがんばろー。(・ω・)ノ
全然関係なく旅行つながりで連想したのですが、最近僕の芸能人ランクで超アツいのが、世界ふしぎ発見でミステリーハンターやってるこの人
numeri風に「マイ芸能人ランキング」をつけるとしたら、ゲーム差200,000でぶっちぎりです。あ、aikoタンは別ね。
もっと売れていっぱいテレビ出ればいいのに。ってか、ブレイク必至とみた!

「MOMENT」本多孝好

「MOMENT」本多孝好

死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。恋心、家族への愛、死に対する恐怖、そして癒えることのない深い悲しみ。願いに込められた命の真実に彼の心は揺れ動く。ひとは人生の終わりに誰を想い、何を願うのか。そこにある小さいけれど確かな希望―。静かに胸を打つ物語。

ウマイ!!(・∀・)
 
 
いやー、話の展開がうまいうまい。
 
 
本多さんは、手に取る本がとっても近いひろさんお気に入りの作家さんなので、ずっと気になっていまして、やっと手に取ったのですが、いやー、こりゃいいや。
あらすじだけ見たら、入り込めないぐらいキレイすぎる話ばかりなのかと思いきや、全然そんなことはなくって、連作集みたいなかんじの短い話のあつまりなんだけど、結構重い終わり方をする話もありました。
それでも、読後感は清涼。
読み始めの「ああ、こういう話か」って先入観は、随所でうまいこと外されてしまいました。
文句なしにオススメの一冊。
 
 
というわけで、あと一作ガツンとくれば、お気に入り作家さんリスト入りは間違いなしですが、むむむ、ちょっとのこりはパンチが弱かったかな。
 
 
 
他に読んでみたのはこの辺。 
程よく良いけど「MOMENT」ほどではないか。
 
 

小さな広告代理店に勤める僕は、大学生の頃に恋人・水穂を交通事故で失い、以来きちんとした恋愛が出来ないでいる。死んだ彼女は、常に時計を五分遅らせる癖があり、それに慣れていた僕は、今もなんとなく五分遅れの時計を使っていた。最近別れた彼女から、「あなたは五分ぶん狂っている」と言われたように、僕は社会や他人と、少しだけずれて生きているようだ。
 そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。「かすみ」と「ゆかり」は、子供の頃、親を騙すためによく入れ替わって遊んでいた。しかし、それを続けるうち、互いに互いの区別がつかなくなってしまったという。
 かすみは、双子であるが故の悩みと失恋の痛手を抱えてていることを、僕に打ち明ける。
 そんな「かすみ」を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋めあうように、僕とかすみは次第に親密になっていく――。

設定はありがちで、文体はハルキ的で、だけど、あまりにそれが徹底していて、逆に心地よかったです。
日曜の昼下がり川の見えるカフェで、ちょっと感傷的な気分になりながら、一人読むには非常に良い選択でした。
虫の居所が悪ければぶん投げてた可能性も否定できないですが。w
 
 

人が死に杉。
登場人物を殺すことで喪失感や非日常を演出するのは安易でイクナイ(・∀・)
しかもそれに超能力とかタイムスリップとかは、もう僕が一番ダメなパターン。
さすがに人格は乗りうつらなかったけど。w
それでも最後の短編「シェード」はかなりいける。や~。良い話だった~。
街のイメージはなんとなく寝屋川の商店街が出てきました。なんでやろ。
 
 
次の「MISSING」に期待!

「ワイルド・ソウル」垣根涼介

「ワイルド・ソウル」垣根涼介

一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。戦後最大級の愚政“棄民政策”。その四十数年後、三人の男が東京にいた。衛藤の息子ケイ、松尾、山本―彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。

舞台が南米なのでってことで、メキシコ旅行のお供に連れて行ったのが本書。
まあメキシコは中米ですが、細かいことはおいておいてw
はじめて読む作家さんなので、面白くなかったらどうしようかと、ちょっと迷ったんですが、これが大当たり。
時差ボケのせいもあって、行きの飛行機と1日目の晩で読み切ってしまいました。
旅に持って行くには面白すぎた!
まあとにかく立ち読みで1章を読んでみてください。
きっと読み切ったときには、そのままレジにむかってるんじゃないかと思いますよ!!(・∀・)
女性描写がちょっと嘘くさい気がして、それだけが気になるところですが、読後感も爽やかで、筆者がきっと取材中に感じたであろう憤りも伝わってくる、とても面白い小説でした。

おれはその相手から受けた恩をおまえに返す。おまえも、このおれから受けた借りをいつかは誰かに返す。そういうふうにして、世界は繋がっていく

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

最近、全然本について書いてなかったので、ちょっと一気に面白かったものをあげていきたいと思います。
 
 

スティーブ・ジョブズといえば、言わずとしれたアップル社のCEO。
以前にご紹介したスピーチも素晴らしかったのですが、あれ、この人ってなんだかシッチャカメッチャカな人なんじゃなかったっけ?そういえば何となくしか知らないなーと思って手に取ったのが本書でした。
この本を読んだ印象としては、やっぱりハチャメチャな人でした。
しかしまあ、絶対無理だと思っていても、この人にやれと言われればなぜか乗せられて、そしてできてしまう。
1000人を前に即興で2時間しゃべり倒しても、話しが終わった後は、ダイナマイトが爆発したような拍手が巻き起こる。
繰り返しそういう場面が描かれているのですが、さっぱりピンときません。
よーわからん。一緒に仕事させてくれw
まあでも、そういう才能って本当に希有なんだと思うし、安易に影響されてもマネできるようなもんじゃないので、僕たちはマイペースで行きたいと思います。もちろんマイペースってのはのんびりする事じゃないけど。
とりあえず感想は一言でした。
事実は小説より奇なり。
この人は亡くなったら間違いなく映画になると思います。

「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」サイモン シン

「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」サイモン シン

暗号ごっこをしたことがある人って多いんじゃないかと思います。
僕も小学生ぐらいの時に、なぜか授業中に友達と暗号文でメッセージをやりとりをした記憶があります。
 
 
遠い記憶ですが、たしかそのときは簡単にひらがな全部に2桁の数字を振ったような。。。
なんであんなことしてたんだろう?w
 
1つの字に対して、1つの対応する文字列が当てられる暗号化の方法を「換字式暗号」というらしく、本書の最初の方にでてきます。
こういった暗号を解くために発達したのが頻度分析。
言語によって良く出てくる文字や組み合わせ、滅多にでない文字というのは、統計的に決まっているので、それを鍵とすれば、解読できてしまいます。
そこで、さらに頻度分析に対応するために・・・と暗号作成者vs暗号解読者の戦いが、続いていきます。
その戦いは決して表舞台に出てくることは無かったけれども、どれだけ歴史を左右してきたか。
さらに暗号に関わった人たちの人間ドラマが見えてきて、もうめちゃんこ面白かったです。
暗号には難しいイメージがあるけど、解説が面白い上にわかりやすいので、頭は使うけどグイグイ読ませてくれます。実際、暗号の解読というのは、先に答えがわかっていれば、理解するのは手に負えないようなもんじゃないってことがわかりました。(その気にさせられてるだけかもしれないけどw)
今ならすっげー難しい暗号作れる気がする!w
というわけで、かなり強烈オススメの一冊ですた。
Amazonのカスタマーレビューって、レビュー数が多くて評価の高いものは、さすがに信頼できる気がします。

「奇跡の経営」

「奇跡の経営」

僕はあまりビジネス書を読みません。
自分で選ぶとハズレばっかり引いてしまうのです。
もちろん世の中には、良いビジネス書はたくさんあるのはわかるんだけど、どーもハズレひく率が他のカテゴリーに比べて圧倒的に高いので、けっこうトラウマ。
だから最近は人が良いって言ってくれた本しか読みません。
 
 
で、こないだ京都に行ったときに会ったKON氏からオススメしてもらったのがこちら。

奇跡の経営」 リカルド・セムラー

企業の成長のカゲで社員が犠牲になる時代は終わった!
社員のコントロールを一切やめ、急激に業績を伸ばしたセムコ社。
ブラジルで、学生がもっとも就職したい企業No.1という同社は、
辞職率実質“ゼロ”の全世界が注目する驚愕の経営を実践する。

 
 
 
めっちゃえがった。
  
  
 
どんなことでも、押しつけられて面白いわけがない。
どんな仕事でもキツい場面っていっぱいあるけど、それを楽しめるか楽しめないかは、仕事に対する意識が自発的かどうかで分かれるんだと思います。
その自発性を徹底的に引き出す取り組みをしている会社の話です。
こんなことを実践するだけでも難しいだろうに、結果まで出してる会社が本当にあるなんて、世の中広いです・・・。
 
 
 
 
その昔、とっても尊敬する人に言われたことを思い出しました。
 
何かを面白くないと思ったとき、自分が面白く変えてしまえばいい。
それが無理なら面白いと思えるよう努力しろ。
それでもどうしても無理なこともある。
そのときは面白いところを探せ。
最悪は、何もしないことだ。
と。
なんだか、そんなことを思い出しながら、今の会社を、働いている多くの人に、ここで働いていてよかったなーと思ってもらえるような企業文化を創っていきたいと、熱く思ってしまいました。
良い本でした。KON君ありがとう。

荻原浩「神様からひと言」

荻原浩「神様からひと言」

大手広告代理店を飛び出し、中堅食品会社へ入社した涼平。
新製品企画会議でトラブルを起こし、リストラ要員の強制収容所と社内でウワサされる「お客様相談室」へ左遷されてしまう。神様であるお客様からのクレーム処理に奔走する凉平、実はプライベートでも半年前に女に逃げられていた。

荻原浩さんの本を読み漁りモードに入ってます。
いやいや、この人の本、面白すぎです。
因縁付けてくるお客さんとか、アホな上司に悩まされるとか、勤め人をやったことのある人なら誰でも体験するであろうところを、うまーく突いてニヤニヤさせてくれます。
あ、僕の勤め人時代は、上司に恵まれてました。いやホント。別部署にはイパーイいましたけ
それにしても、BtoCのクレーム処理って本当にこんなに壮絶なんですかね。こちらは経験無いのでわかんなかったです。(((((;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
読んでたのは、風邪にもめげず行ったバーゲン会場です。
入場やレジ待ちの間に読み進めてたのですが、思わず笑いそうになってしまい堪えるのに苦労しました。
この人の本は、3冊目ですが、どうしてもニヤニヤしながら読んでしまいます。
なんつーかツボにはまるんですよね。
といって軽いだけかと思えば、奥に潜むのは「何のために働くのか」という、けっこうずっしりくるテーマだったりします。
明日の記憶」もそうだけど、難しそうなテーマでも軽く扱うのがめちゃウマな作家さん。
かなり僕としては大注目です。

「明日の記憶」萩原浩

「明日の記憶」萩原浩

急速に物忘れが激しくなった広告代理店の営業部長である佐伯。
会話中、俳優の名前がでてこなかったり、買い物に出かけようと車に乗った瞬間、家の鍵をかけたか不安になったりと、最初は些細な物忘れだったが、症状は日に日に酷くなり、とうとう仕事の約束まですっぽかしてしまう。
意を決して精神科に診断に行くが、そこで告知された診断は若年性アルツハイマーだった。

恐ろしく、悲しく、そしてとっても良い小説でした。
人間関係は記憶がなければ成り立たない。
頼りになると思う気持ちも、腹立たしいと思う気持ちも、すべて記憶があるからこそ持てる感情です。
そして愛しいと思うことも、やっぱり記憶があるから。
積み重ねてきた人生が徐々に欠落していくことへの恐怖を、一人称ながら抑えめの筆致で描かれています。
この本を読んで感じることは一つでした。
当たり前だけど、人間はいつか死ぬと言うこと。
僕だって残された時間は、多くても後50年くらい。
幸せな記憶を積み重ねていける時間が、どれだけ限らない。
もっと毎日を一生懸命に生きていかなければ。
そんな気持ちを新たにさせられる一冊でした。
特に良かったのはこのくだり。思わずページの端を折ってしまいました。

記憶は自分だけのものじゃない。人と分かち合ったり、確かめ合ったりするものでもあり、生きていく上での大切な約束事でもある。(中略)たった一つの記憶の欠落が、社会生活や人間関係をそこなわせてしまうことがあるのだ

その通り。酔っぱらって記憶を無くして「あれ貸してくれるって言ってましたよね」なんて言われてるようでは、信用無くしますよ~。>自分
 
 
この作家さん、先週読んだ「あの日にドライブ」も、とても面白かったです。
2作続けてキタので、読み漁りモードに入ることにします。
かなり期待できそう。

「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」リリー・フランキー

「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」リリー・フランキー


 
僕は、帯や広告に有名人や読者から感想を寄せ書きしてる売り方が、とても嫌いです。
「これはスゴイ!今年の最高傑作です(ぴーこ)」
「こんな感動生まれて初めて(32歳・女 OL)」
「号泣しますた(45歳・男 2ちゃんねら)」
なんてのが書かれてると、
「うっせー!商魂丸出しでゴチャゴチャ書くんじゃねー!」
と思ってしまうのですが、この本もご多分に漏れず、帯にぎっしりそういうのが並んでます。
あ~、やだやだ。
純愛・感動の押し売りイラネ(゚д゚)
こんな感じで敬遠してたんですが、あんまりにも周りの人が良いと言うのと、僕が昔住んでいた小倉や若松が出てくるよってことなので、軽く読めそうだしと借りて読んでみたかわけです。

この話は、かつて(中略)上京し、弾き飛ばされ故郷に戻っていったボクの父親と、同じようにやって来て、帰る場所を失してしまったボクと、そして、一度もそんな幻想を抱いたこともなかったのに東京に連れて来られて、戻ることも、帰ることもできず、東京タワーの麓で眠りについた、ボクの母親のちいさな話です。

だああああ(T_T)
これは反則だって、反則。ぴーっ。 
  
 
普段まるまるっと忘れてますが、さすがにこれを読むと両親のことを考えました。
とはいえ、うちのオカンは変人で、こんな立派じゃないですが。
あ、オトンがヤクザっぽいのは一緒かw
我が家の両親は、ここ最近何度か病気してたものの今のところピンピンしてるだけに、いつかは必ずこの世から居なくなるなんてうまく想像できないのですが、これだけ親不孝三昧を働いていて、今逝かれたらめっちゃ困ります。後悔しきれない気がします。
12月・1月は両親の誕生日です。
たまには親孝行して驚かせてやらんとなーと本気で考えてしまいました。
 
 
 
100点満点の名作!と言いたいところですが、帯がキモいので99点にしときますw
いやいや、ほんと未読の人は是非どうぞ。

サンクチュアリ

サンクチュアリ

ひさしぶりにマンガ喫茶でマンガ漬けになってみました。
面白いよと知り合いに薦められて、手にとって読んでみたのはコレ。

カンボジアの内戦で両親を殺され、命からがら逃げ出して生き延びた二人の日本人の子供は、帰国後に腐った目をした日本人をみて、国の行く末に大きな危機感を抱く。
高校生になった二人は「俺達で日本を変えよう」という目標を掲げ、ジャンケンで表の道と裏の道を決め、二手に分かれてそれぞれ日本のトップを目指す。
高校を中退して極道の世界に入った北条と、東大に進んで政治家を目指す浅見。
命を懸けて目標に邁進する二人に、数々の苦境が襲いかかる。

熱い。暑苦しいくらい熱い。
劇画チックな絵も暑苦しさを増幅させているんですが、まあとにかく思想が熱いです。
90年代の作品なのですが、物事の本質はあまり変わってないので、ちょっと置き換えたら今でも十分通用しますね。
話のありえなさは「島耕作」以上ですが(それってものすごいあり得ない度ってことか!)、それでもやっぱり夢中になって読み切ってしまい、ちょっと熱くなってしまって、うお、俺も仕事するべ!ってなっちゃうあたり、やっぱり男ってば単純なわけですね。はい。
まあ、読み終わった頃には夜中だったので、帰って寝ただけですが(・∀・)