「博士の愛した数式」 小川洋子


博士の愛した数式」 小川洋子

家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。

ちょっと前に借りていて、やっと読むことができた本書。
ほのぼのとした良いお話でした。
ウイイレという勝負の世界に身を投じ、殺伐としていた頭には、かなり良い心の清涼剤になりましたw
文章がとっても幻想的。
なんだか夢の中のお話みたい。
あれー、この感覚はどっかでも味わったなーと思ったら、そうだ「センセイの鞄」だ。
「さあ、ここで泣け!」
みたいな押しつけがましさがなくて、話が淡々と進むのだけど、じわーっと染みてくる感じも共通してる印象です。
いやあ、優しい気持ちになれる、本当に良い本でした。
 
 
個人的には、首位争いをしていた阪神タイガースが出てくるのが、とっても懐かしいです。
亀山や湯舟あたりの時代で。
あの当時の大阪の興奮っていったらすごかったからなー。
この小説では、舞台として岡山や倉敷あたりを臭わせる記述があるけど、あのあたりも同じように盛り上がってたんかなーと思ってみたり。
それにひきかえ今年は首位争いをしてるというのに、この冷静っぷりはどーしたんだろうね。

fuku

9件のフィードバック

  1. じんわり、泣けますよね。
    この小説のヒントともなったといわれる
    藤原正彦氏と著者との共著も面白かったですよ。
    >今年は首位争いをしてるというのに
    なんか、岡田監督って4位になった次の年は
    優勝・・・と言ってるとか。

  2. この作品、私も押しつけがましくないところが好きです。
    ちょっとしたことの積み重ねが感動に繋がっててじーんときました。
    阪神タイガースネタは私も懐かしかったです。
    小さい頃、父親が見てるのを横目で見てただけですが
    湯舟は結構好きだったんですよー、あの頃熱かったですね、ほんと。

  3. 「博士の愛した数式」小川洋子

    以前から読もうと思いつつ先延ばしになっていた一冊。
    心が暖かくなれる本でした。
    博士の80分しか持たない記憶を除いて、
    話の中でおこっていることは特別なことではないのだけれど
    そのちょっとした出来事一つ一つの積み重ねが感動の場面をひきたててるんだな。…

  4. >keiさん
    藤原正彦氏と共著ですか。ふむふむ。
    keiさん、結構色々読まれてますよね~。
    「別の場所」にちょっと興味アリです(・∀・)
    >ひろさん
    ども!
    えっ、湯舟好きだったのですかー。
    ではもしかしてコレに興味があるのでは。
    http://www.veristores.com/kamechu/
    僕はシャレで一度行ってみたいと思ってますw

  5. >keiさん
    あっ。ほんとだー!すごい量ですー
    『LOVE ALBUM』いいですよねー。僕も最近聴きまして。
    先週は『空創クリップ』聴きながら『古道具 中野商店』読んでましたーw

  6. ◆『博士の愛した数式』読みました★★★★★.。.☆: .*

    博士の愛した数式 博士は素数や数式を愛してる。 博士の家政婦も 素数や数式を愛するようになって、 博士の家政婦の息子も 素数や数式を愛するようになって…

  7. ほんと ほのぼのした良いお話でしたね~^^
    読んで良かったなぁってしみじみ思いました。
    なるほど~『センセイの鞄』と似てる所あるかもですね。
    私はどっちも好きなので、ちょっと幻想的好みなのかもw
    ラストは博士の方が好きです^^
    TBさせていただきました~♪

  8. TBありがとうございます~。
    これイイですよねー。
    もう文庫になってたんですねー。知りませんでした。
    やっぱ映画になったりするんでしょうかねー。

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