「半島を出よ」村上龍

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2010年。北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟。

村上龍は、あまり読んだことがなくて、
「69」「長崎オランダ村」「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」くらいかな。
(どれもおもしろかった!)
これらは全部、短くてテンポの良い話だったので、いったい村上龍の長編ってどんなのなんだろうという興味もありまして、手に取ったのが3週間前。

や、やっと読み終わったぁ~。
忙しかったのもあるけど、こんなに手こずった本は久しぶりです。
なんせ長い!
上下巻あって400字詰め原稿用紙で1650枚。
最近薄い本ばっかり読んでたから、耐性がなくなっているのかも。
それだけじゃなくってこの本、細部を書き込み過ぎているので、途中でダレるのです。
僕は長編でも面白いときは朝までかかってでも一気に読んでしまうのだけど、コイツに関してはそうもいきませんでした。終盤だけはテンポが良いのですが、どうも書き込む部分、端折る部分の配分がちぐはぐな印象。
とはいっても、これだけの大家と勢いのある出版社が組んでいて、そのくらいわかってないはずない。エンターテインメント性を犠牲にしても、伝えたい何かがあったのかな。

と、ちょっと批評っぽい口調になってしまいましたが、話はめちゃくちゃ面白いです。
上下巻4000円払っても、それだけの価値はあると思います。
この本で書かれている5年後の日本は、ほんと悲惨。
財政は破綻し、国際社会からはバカにされ、国民はインフレで苦しみまくり。
もちろん最悪のシナリオだとは思いますが、別に現実なってもおかしくもなんともない。
日本にせよ北朝鮮にせよ、国の舵取りがどれだけ国民の人生を左右するかってことですね。
個人的にも、よく知ってる福岡が舞台だったので、楽しめますた。
満足です(^^)

fuku

3件のフィードバック

  1. 面白いですよね。
    これ、途中で一度止めると再開するのに確かにエネルギーいりそう。
    私はたまたま時間があったときに読めたので、一気にいけたんですけど。
    龍モノは他に「最後の家族」が面白かったです。

  2. 私は上巻でいったん中断してからまだ再開してません。家に下巻が眠ったままです。面白いのですが、体力が…(笑)。内容がリアルで軽い鬱になりそうですよねえ。健全な夏休みに読むことにします。

  3. >keiさん
    おおお。一気に読むのも、それはそれでかなり根性要りそうですね。
    「最後の家族」ですか。ふむふむ。
    ぜひ読んでみます。
    あー、読みたい本が溜まりまくりだー。
    >まこっちゃん
    そうそう。面白いのだけど、色んなとこが続かないんよねw描写もグロいとこあるしねえ。
    ぜひ夏休みにいっちゃってくださいなー

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